自然をモチーフに、板ガラスに釉薬を塗り、重ね合わせ、焼いて、磨いて、作品をつくる、ガラス作家の保木詩衣吏さん。自然豊かな岐阜県飛騨地方に生まれた彼女は、雪深い土地で芽吹いたり、消えたりする自然の表情に尊さと切なさを感じ、雪や落ち葉、泡など、自然の中で朽ちて消えていくものを板ガラスに描き、「溜める」「留める」をテーマに作品を制作している。
武蔵野美術大学で学び、富山ガラス造形研究所で技術や表現手法を探求した後、ものづくりの文化が暮らしに浸透している金沢に拠点を移して活動をしているそうだ。
日本の豊かな自然と、悲しみに美を見出し消えゆく儚さをかたちに留めようとする作品が特徴的な保木さんに、ガラス作家となったきっかけから現在に至るまでなど、これまでの軌跡を伺った。