先祖代々続く、備前焼の窯元に生まれた圧力は感じなかった
まずは、森さんの経歴を聞かせていただけますでしょうか。
森 敏彰さん(以下、森):先祖代々、備前焼の窯元をやらせてもらっている家で育ちました。ホームページにも載っていますが、最古の記録は室町時代末期。
僕は大学を卒業してからこの道に入りました。備前陶芸センターで研修を受けて今に至り、最近では海外にも積極的に出ています。
森さんぐらいの年代だと、別の職業を選ぶこともできたのではないかと思います。 この道に入ったきっかけは?
森:やはり一番身近で見てきたのが、焼き物だったことが大きいでしょうね。そうは言っても学生時代は、ちょっと違うこともしてみたいと思って、大学では文化財の保存や修復を学びました。
そこで、今の伝統工芸が置かれている状況や後継者問題を学ぶ機会があって、改めて自分は本当に特別なところに生まれていると思いましたね。