輪島塗とは?歴史や特徴、製作体験や見学ができる施設を徹底解説

石川県には、数多くの伝統工芸品があります。その中でも、美しい装飾と日常使いをしても壊れにくい高い堅牢性が特徴の「輪島塗」は人気があります。 そこで、この記事では輪島塗について解説します。歴史や特徴、製作体験や見学ができる施設を解説するので、輪島塗や漆器に興味がある人は最後までご覧ください。

輪島塗とは?

輪島塗とは、石川県輪島市で作られる漆器のことです。輪島塗の歴史は古く、室町時代に輪島塗の原型となる漆器が作られたと言われています。江戸時代前期に珪藻土の粉を下地とする技法「地の粉」が確立し、中期には塗りの上に絵を描く技法「沈金」が確立されました。その後、輪島塗を販売する「塗師屋」と呼ばれる商人が全国に商品を広め、全国的に有名な漆器となりました。 現在は海外でも人気があり、2017年には石川県とシンガポールがコラボをして、シンガポールデザインの輪島塗スマホケースやアクセサリーを開発しています。器や箸などの伝統工芸品に加え、様々なジャンルの製品にも輪島塗が応用されており、国や性別を問わず幅広い人気を集めています。 また、本物の輪島塗は124の工程を経て作られるため、非常に製作するのが難しい漆器として有名です。観賞用としても使われますが、温かいものが冷めにくく、堅牢性が高いという特徴があるため、日常的に使うのにも最適です。

輪島塗の特徴

輪島塗には、以下のような特徴があります。

装飾が美しい

輪島塗は、美しい装飾が特徴の漆器です。ノミで彫られた溝に金属粉を埋める「沈金」や、漆で描いた模様の上に金属粉を蒔いて凹凸をつける「蒔絵」という技法を使うため、豪華で繊細な雰囲気の漆器になります。また、輪島塗には「地の粉」を混ぜた最上質の漆が使い、独特の艶感を生み出しています。

丈夫で壊れにくい

漆器で作られているため、丈夫で壊れにくいという特徴もあります。輪島塗は、欠けやすい部分に布を貼る「布着せ」や、輪島しないで取れる珪藻土「地の粉」を使って制作するため、他の漆器よりも耐久性が高いです。

修理をしながら一生使える

輪島塗は、剥がれた部分に漆を塗り直し、残っている絵柄をもとに絵を描き直すことで、一生使い続けられます。思い出の漆器を使い続けられるため、日々の食事を楽しみたい人におすすめです。ただ、修理には高い技術と経験が必要になるため、信頼できる職人さんを見つけることが重要になります。

おすすめの輪島塗

輪島塗の購入を考えている方は、以下の3つから選ぶのがおすすめです。

お椀

初めて輪島塗を購入する人は、お椀やお皿を選ぶのがよいでしょう。輪島塗の大半がお椀やお皿なので、自分の好きなデザインの作品が見つかりやすいです。また、断熱性や堅牢性が高いため、実用性を求めている人は日常的に使うお椀やお皿が選びやすいでしょう。 使い込んでいくとどんどん色が変化するため、愛着を持って使用し続けられるのも特徴です。もし、味を出したいと考えている人は、色が変わりやすい白色の輪島塗を選んでみてください。白色からベージュ、ミルクティー色への移り変わりを楽しめます。

お椀以外にも、輪島塗の箸もおすすめです。模様や色合いが美しいのはもちろん、漆独特の触り心地を楽しめます。箸先には乾漆仕上げが施されるため、美しさだけでなく実用性もあります。 お椀やお皿と比べて製造過程が複雑になるため、価格が高くなりがちですが、漆の手触りや口触りを楽しみたい人にはぴったりです。

ボールペン

自宅で食事する機会が少ない人は、日常的に使うボールペンを選ぶのもおすすめです。輪島塗のボールペンは人気があり、2016年のG7伊勢志摩サミットや2023年のG7広島サミットでは、セキセイ株式会社の代表である西川雅夫氏が創作した、輪島塗蒔絵ボールペン「雅風」が首脳会議の筆記用具に採用されました。 G7広島サミットで採用されたボールペンは、開催地の宮島の紅葉と厳島神社の鳥居の朱色を使い、鹿の親子が平和を願って佇んでいるデザインに仕上がっています。55,000円という高価な文房具でありながらも、輪島塗の独特な魅力が詰まったこの唯一無二のボールペンは、初回受注分の300本が即座に完売しました。 輪島塗の伝統技術を使った美しいボールペンを使うことで、日々の仕事や勉強が少し楽しくなるでしょう。

輪島塗に触れられる場所

実際に輪島塗を見たい方は、以下のスポットに行くのがおすすめです。

輪島工房長屋

輪島工房長屋は、輪島塗や漆器に特化した体験施設です。輪島塗の製作体験や、輪島塗の職人さんの工房見学などに参加することで、輪島塗の魅力を存分に感じられます。また、職人さんと直接お話しすることもできるため、伝統工芸品がどんな思いで作られているかを知りたい人にもおすすめです。ギャラリーでは漆芸品の展示・販売を行っているため、気に入った作品があったら購入してみてください。

石川県輪島漆芸美術館

石川県輪島漆芸美術館は、漆芸品専門の美術館です。常設展では、数々の輪島塗の名作を通して、漆器の魅力や輪島塗の歴史を知ることができます。ミュージアムショップでは、漆器をはじめとした能登の名産品が揃っているため、お土産を買いたい人にもおすすめです。スプーンや箸の色付け体験も行っているため、子どもと一緒に楽しめる施設といえるでしょう。

加賀伝統工芸村ゆのくに

加賀伝統工芸村ゆのくには、11の館で50種類以上の伝統工芸体験を行える総合体験施設です。輪島塗の館では、漆面に模様を彫って金箔・金粉を埋め込む伝統技法「沈金」を体験できます。箸や汁椀、ストラップなどを作れるため、家族でお土産を作りたい人にぴったりです。輪島塗以外にも九谷焼や山中漆器などの体験もできるため、何度も訪れたくなるでしょう。

まとめ

この記事では、輪島塗の歴史や特徴を解説しました。輪島塗は金色の装飾が美しいだけでなく、堅牢性・断熱性が高いのが特徴です。お椀や箸など、日々使う食器を輪島塗にするだけで食事が楽しくなるため、興味がある人はぜひ製作体験や輪島塗の購入を検討してみてください。

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