当窯元は、古くは明治初期、海鼠釉(なまこゆう)を研究、完成させ信楽に広く開放した初代 谷井直方(1806~1891)に始まります。 「直方の雅友は歌人の蓮月尼茶陶に和歌をしるし給いき」 (二代目 妻 谷井かつ子 著書「穴窯の炎」より) この一首は、幕末の京に生きた蓮月尼で、「歌・書・陶作」を愛した風雅の女人でした。 初代 直方は茶陶を「登り窯」から出すと、草鞋ばきで東山の蓮月尼庵に届け逸作には蓮月尼自らが歌と書をしるしました。 その系譜の中、昭和の初めに谷井眞方(しんぽう)が現在の「谷寛窯」を創設し、二代目の信山(しんざん)、そして現 三代目 芳山(ほうざん)へ伝統と革新が受け継がれています。
沿革
1925年 | 谷寛製陶所(現 谷寛窯)が創業され、登り窯で海鼠釉火鉢の大量生産を始める。 |
---|---|
1966年 | 重油窯を築炉。海鼠釉植木鉢の生産を始める。 |
1973年 | 世界的なオイルショックに見舞われ、間もなく閉窯。 |
1975年 | 電気窯を築炉。花器の生産を始める。 |
1980年 | ガス窯を築炉。主に和食器の生産を始める。 |
1991年 | ㈱ 谷寛窯へ社名変更 |
1994年 | 東大寺のチャリティー展へ参加、以後毎年参加。 |
1997年 | 谷寛窯にて「gallery&shop」を展開。 |
1999年 | 穴窯を築炉。茶陶の製作なども始める。 |
2000年 | Suntory様のリサイクル事業としてウイスキー樽から釉薬の開発、製品化の成功。 |
2015年 | UCC様のリサイクル事業として、抽出後の珈琲豆から釉薬の開発、製品化の成功。 |
2019年 | NHK連続TV小説「スカーレット」のロケ地に選ばれる。 |
2022年 | 他社と連携し、谷寛窯にてゲストハウスを展開。 |
2024年 | 現在に至る。 |
続きを読む