陶芸家 中尾哲彰 Nakao Tetsuaki
陶磁器
佐賀県有田焼・伊万里焼
陶芸家 中尾哲彰 Nakao Tetsuaki
陶磁器
佐賀県有田焼・伊万里焼
銀河釉の焼き物は、複雑な色の変化の中に、無数の星が輝いているように見えます。これは金属の結晶が、輝いているのです。 釉薬の中に含まれていたさまざまな金属元素が、窯の中で1250度前後の高温で焼成され、除冷されていく過程で、結晶化していきます。結晶を美しく析出させる為には、科学的な知識だけでなく、自然の変化を読みとく技が必要です。その難しさに作家本人も日々奮闘していますが、美しく結晶化した銀河釉の焼物には、宝石にも勝る品格があります。 そして、窯変結晶釉という性格上、全く同じ色合いのものがこの世に存在しません。その宇宙を切り取ったかのような美しい銀河釉が、日々の暮らしの中で、何気なく触れる器や花瓶を通して、その場が完結する機能を超え、人の心に何かを語りかけてくれます。 その語りかけてくる瞬間のきらめきが、陶芸という、長い時間をかけ育まれてきた文化の真髄を、感じさせてくれることを願っています。
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