銀河釉の焼き物は、複雑な色の変化の中に、無数の星が輝いているように見えます。これは金属の結晶が、輝いているのです。 釉薬の中に含まれていたさまざまな金属元素が、窯の中で1250度前後の高温で焼成され、除冷されていく過程で、結晶化していきます。結晶を美しく析出させる為には、科学的な知識だけでなく、自然の変化を読みとく技が必要です。その難しさに作家本人も日々奮闘していますが、美しく結晶化した銀河釉の焼物には、宝石にも勝る品格があります。 そして、窯変結晶釉という性格上、全く同じ色合いのものがこの世に存在しません。その宇宙を切り取ったかのような美しい銀河釉が、日々の暮らしの中で、何気なく触れる器や花瓶を通して、その場が完結する機能を超え、人の心に何かを語りかけてくれます。 その語りかけてくる瞬間のきらめきが、陶芸という、長い時間をかけ育まれてきた文化の真髄を、感じさせてくれることを願っています。
略歴
1952年 |
佐賀県武雄市に生まれる 慶應義塾大学文学部哲学科中退 |
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1982年 | 日本美術展覧会(日展)に初出品にて入選 |
出展歴
1992年 |
北京中央工芸美術学院研究室収蔵 杭州南宋官窯博物館収蔵 |
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2008年 |
ロンドン・クイーンヴィクトリアギャラリーにて海外初個展 Bonhams「International Contemporary Ceramics」に出品 |
2010年 | 福岡市美術館にて銀河釉作陶展 |
2011年 | Christie’s「Japanese Art & Design Including Arts of the Samurai」に出品 |
2012年 | Christie’s「The Japanese Aesthetic」に出品 |
2013年 | Christie’s「ASOBI」に出品 |
2019年 | ローマ教皇来日に合わせて長崎の「日本26聖人記念館」に「銀河のオデッセイ」が展示される |
受賞歴
1992年 |
北京中央工芸美術学院研究室収蔵
杭州南宋官窯博物館収蔵 |
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1994年 |
デンバー美術館収蔵
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1999年 |
日蘭交流400周年記念「日本の美術展」
アートユニオンオランダ賞 |
2001年 |
A・M・S・Cスペイン芸術賞
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2003年 |
フランス・パリ・美の革命展 in ルーブル
グランプリ「プリ・デ・リオン」 特別賞「トリコロール芸術平和賞」 フィレンツェ栄光のネオ・ルネサンス展 「コスタンツァ・デ・メディチ芸術褒賞」 |
2007年 |
モスクワ国際芸術博覧会
ロシア国立芸術アカデミー審議会賞 |
2009年 |
タイ王室ソムサワリ王女芸術賜杯
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